0

ゴッド・セーヴ・ザ・クイーンとひび割れた骨董

/ 更新日: 2012年7月30日
おすすめ記事

この記事を読むのに必要な時間は約 1 分 54 秒です。

デジタル・カメラには複数の写真を撮って、それを合成することで画像に奥行きを出す機能がある機種がある。シャッターを切った時の手ぶれを利用して面白みを出すものだが、フォトショップで加工する時も同じレイヤーの画像を重ねると深みがます。音楽のミックス・テクニックで言う『ダブ』と同じだろう。『ダブ』は同じ音を重ね録りすることでサウンドに厚みを出す。

セックス・ピストルズは『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』で、ギターを最大12回重ね録りして例の熱っぽい音を造った。少ない箇所でも4回重ねて録音している。その間は一度もギターをチューニングし治していない。楽器は時間が経過すると少しずつチューニングが狂ってきます。それで全く同じ演奏をすることで重ね録りされた音にぶれが生じて、厚みと成る。耳の良い人には『シュイーン』という感じで音が廻って聞こえるだろう。1点再生であるのに空間に広がっているような効果が出るので、ミックスする時に楽器の位置をずらして厚みを出そうとしているのならこちらをお試し頂きたい。

“ヒビの入った骨董”ホロヴィッツは、録音では無くてライヴな演奏で”ダブ”効果を出していた。ピアノは鍵盤を叩くとフェルトがピアノ弦を打ち上げることで音が出る仕組みですが、現在のコンサートグランドは一つの音に3本の弦が張ってある。三つの弦が共鳴し合って音に厚みが出るわけ。ホロヴィッツのピアノはこの三つを意図的にチューニングを狂わしてある。これは高域に行くほどにチューニングの狂いは大きく。低域はズーンと重い響きを出す。ホロヴィッツの好んだ音でした。これを古いアナログのオリジナル盤で聞くと、音にシャーッという余韻が伴って聞こえます。再生するオーディオによってはテープヒス・ノイズかと感じられるかもしれません。

初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」
初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」

Related Posts

  • Hello world!Hello world! WordPress へようこそ。これは最初の投稿です。編集もしくは削除してブログを始めてください ! // コードでくくってた。
  • 米 COLUMBIA ML-5004 ワルター指揮コロムビア響、モーツァルト:「ミラベルの庭園にて」米 COLUMBIA ML-5004 ワルター指揮コロムビア響、モーツァルト:「ミラベルの庭園にて」 モノラル時代一斉を風靡した名盤。 曲目 モーツァルト:「ミラベルの庭園にて」 演奏 指揮:ブルーノ・ワルター 管弦楽:コロムビア交響楽団 通販中 US […]
  • J. V. Stamic & Sons – Viola Concertos – PěruškaJ. V. Stamic & Sons – Viola Concertos – Pěruška J. V. Stamic & Sons - Viola Concertos - […]
  • John Lennon – Imagine (1971)John Lennon – Imagine (1971) ヴィンテージ盤のコレクション共に最近では内袋の復刻も注目されている。しかし、ジャケット以上に保存状態や復刻には難題がある様子。このレコード、オリジナル盤はジョン・レノンの顔写真。スリーブ中央には穴が開いていて、共演メンバーの中心にジョンが来るアイデア。片面は歌詞カードになっている。マンガチックである。 […]
  • スリリング★アルゲリッチ/ショパン:ピアノ協奏曲 No.1, リスト:ピアノ協奏曲 No.1スリリング★アルゲリッチ/ショパン:ピアノ協奏曲 No.1, リスト:ピアノ協奏曲 No.1 1968年録音。ピアニスト、指揮者共に若々しく気迫に溢れた演奏を行っているということに関してはピカイチの名演。アバドの生気に溢れた音楽造りは現在のアバドとは別人のように力強いものです。録音はピアノのタッチは明解、且つ瑞々しいもの。音の鮮度感も抜群です。 […]
  • 浦壁信二ピアノ・リサイタル オール・ラヴェル・プログラム in 熊本市健軍文化ホール浦壁信二ピアノ・リサイタル オール・ラヴェル・プログラム in 熊本市健軍文化ホール 今日、11月30日。これから熊本市健軍文化ホールでピアノ・リサイタルが行われます。ここには熊本市内でも益城文化会館と並ぶ、自慢のピアノがあります。演奏プログラムは、ラヴェルの音楽の移り変わりを俯瞰するような有名曲ばかり。浦壁信二さんは、10本の指で豊かな響きを生み出すピアノの虜になったというのだから、これからラヴェルの音楽でどう聴かせてくれるか楽しみです。 […]
The following two tabs change content below.

F.B. Chopin

ローカルのケーブル放送局で音楽番組編成と、番組作成を担当。必要とあれば音響の確認に工事スタッフと一緒に店舗まわりもしました。その際、地域の音楽愛好家と交流。老舗レコードショップから通販サイトを手伝ってほしいと参加したのが WordPress サイト作りの足がかりとなりました。